2006/10/07
十月に入り、そろそろインフルエンザワクチンの季節になる。
ほほえましいのは小さい兄弟姉妹が来院するときだ。
一番泣きそうな小さい子が最後になるように「ハイ、大きい子から順番ね」と始めるのだが、
「ボクが最後」「〇〇ちゃんから」と、ひと騒動始まることも多い。
ある日、5歳と2歳の姉妹がお母さんと一緒に来院した。
おりこうさん風のお姉ちゃんから始めたところ、
予想外に泣いて暴れ、お母さんと看護婦さんの二人で押さえ、何とか注射した。
ところが終わった途端にケロッとして、お澄ましのお姉さんに逆戻り。
「私痛くなかったよ。〇〇ちゃんは泣くよ。泣くよ」と自分のことは棚に上げ、
妹が泣くのを確かめてから「ほら、泣いた」。
姉の面目は何とか保たれたのだが、あまりの変身ぶりに気恥ずかしそうなお母さんと一緒に大笑いした。
いすに一人で座って注射を受けられそうにない子は、暴れないようにという目的もあって、
保護者がいすに腰掛けて子どもをひざの上に乗せ、向かい合うようにダッコしてもらう。
大体、上の子の方が日ごろしてもらえないダッコをしてもらって、
照れながらもうれしそうにしている。注射の痛さに耐えるとき、
お母さんにギュッと抱きしめてもらえて少し幸せそうである。