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スポーツで「赤い尿」

行軍血色素尿症

2006/11/04

スポーツで「赤い尿」

「合宿になると、いつも赤い尿が出るんです。血のような気がするんですが」。
剣道をする学生が私に尋ねた。
「体調が悪くないなら溶血でしょう。あまり、気にすることはないと思いますが、
心配だったら、練習がきつくない時期に検査しましょう」と答えた。

剣道では素足で強く踏み込んだり、飛び込んだりするため、足の裏に強い力が加わる。
その時、毛細血管の中で赤血球が押しつぶされ、壊れる「機械的溶血」が起きる。

すると赤血球に含まれる血色素が血液中に放出される。
少量であれば腎臓で回収されるのだが、多量だと尿中にもれ出てくる。
いわゆる「血の小便」が出るのだ。

長時間の走行や歩行により、強い力で繰り返し足底が圧迫される陸上競技、
繰り返し体を打ちつける空手などでも見られる現象だ。
病気とは言えないが、腎臓の仕事が増え、
血色素というタンパク質や鉄分を失うという意味で体には負担になる。

医学書には「行軍血色素尿症」という悲しく怖い病名で載っている。

昔、戦争で武器を抱えながら長距離を歩いたり、
走ったりした兵士たちが血のような赤い尿を出したことに由来しているのだ。
隣国での核実験で、きな臭い雰囲気が漂ってきているが、
スポーツで「血の小便」を出せる平和な世の中が長く保たれてほしいものである。

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