2009/01/31
「ママ、ママ、ママ、ママ」。一息ついてから、また「ママ、ママ、ママ、ママ」
ある日、点滴ベッドから診察室までかわいい声が響いてきた。
感染性胃腸炎でお母さんがダウンされ、点滴を開始したのだが、
付き添い(?)の小さな男の子が「ママ、ママ、ママ、ママ」と連呼し始めたのである。
いつもと違って元気のないお母さんを心配する気持ち、
自分の不安、お母さんへの励まし、手持ちぶさた、家に帰りたい、など
いろいろな意味が込められた「ママ、ママ」である。
「これだけ呼んでもらえるとお母さん冥利に尽きますね」とお母さんに声をかけたが、
脱水気味のお母さんは、半分照れ笑いで半分苦笑い。
携帯電話でのSOSで、おばあちゃんが来院された。
伝家の宝刀の「欲しかった○○、買ってあげるから」という誘惑に、
男の子はお母さんを気にしつつもおばあちゃんに手を引かれて買い物に出かけていった。
「お母さん」というのは大変な仕事である、また、家族の支えも必要だとあらためて思わせられた。
いや、そんな理屈よりも100%信頼され愛される「お母さん」が、とにかくうらやましいと思った瞬間だった。