2008/11/08
「A1cの目標は6.5%未満ですが、あなたは8%でかなり悪い」とお話しても、
多くの糖尿病患者さんは実感として理解できないであろう。
A1cとは最近1,2カ月の血糖の平均値と相関して上下する血中タンパク質で、
その値に20を掛けると概ね空腹時の血糖値と一致する。
当院では患者さんへの説明にエクセルで作ったグラフを活用している。
A1cを横軸、血糖を縦軸にとったグラフに患者さんの実際のデータをプロットし、
「あなたは通院中の50人中で一番右上ですから、
先月は一番悪かったです」と指させば、全体の中における本人の位置が一目瞭然。
病気の理解が進み、患者さんの生活習慣改善意欲につながれば病気も良くなる。
特定健診受診者のデータからも悪玉と善玉のコレステロールのグラフなどを作って、
全体の分布の中で各人がどの辺りに位置しているかを示し、治療の必要性を説明している。
「悪玉コレステロールが190と高く300人中10人のレベルですし、善玉は40と正常下限です。
ほかの人たちと比べてかなり偏ってますね。
血縁に心筋梗塞の人がおられるし、真剣にコレステロールを下げた方が良いでしょう」
電子カルテも近々導入するが、コンピューターに振り回されず有効に活用し、
診療内容を向上させたいと思っている。