2008/05/17
私の診療所には建物沿いに花壇がある。
その主木はツルバラ「new dawn」、和訳で「新しい夜明け」。
勤務医のころ、現地の元町長の夫人からいただいたものだが、
今では立派な木になって医院の入り口のライトに絡んでいる。
初夏にはその名のごとく淡く香るシルバーピンクの花をたくさんつける。
バラはその花の美しさもさることながら、春先の新しい枝や新芽も魅力だ。
日に日にぐんぐん伸びる緑に元気づけられる。
今年は冬の間に赤やピンクのチューリップをたくさん植えた。
この花はシンプルで特に子ども心に響くものがある。
春先、天気の良い休日にチューリップやスイセン、
ムスカリの球根の間にパンジーやマーガレットなどを
満開時の花姿や色の組み合わせを予想しつつ少しずつ植えていく。
すると整った花壇ではなく、おのずと自然な感じ「ナチュラルガーデン」風になる。
「手がかけられてないのに、元気に咲いている花を見ると私も元気になります」と
患者さんに言っていただいた時はうれしかった。
医院の雰囲気づくりや患者さんの癒しのためなどと理屈はいくらでもつくのだが、
何のことはない、私自身の癒やしのための庭である。
バラの見ごろは5月下旬、通りかかる人が少しでも目を向けてくれれば、それで幸せである。