2007/12/22
「中国は良かったですよ」と外来で笑顔の患者さん。
ところが、良いことばかりではない。
血糖は急上昇で、良好にコントロールされていた糖尿病が
一週間のおいしい中国料理で元のもくあみになってしまった。
旅行をきっかけに糖尿病が悪化する患者さんが多い。
食べ物があふれる今日、毎日カロリーオーバーになりがちだ。
「バスに乗って、ビールを飲みながら温泉に直行し、たらふく料理を食べる」という旅行の定型は、
このような時代にそぐわないのではないだろうか。
希望に応じ糖尿病食を出すホテルや、運動としての散歩を特長として宣伝する旅館も出てきた。
「朝は禅寺で高僧の説教を聴き座禅を組んで、精進料理をいただく。
昼はおにぎりと果物一個を持って名所旧跡を散策する。夜は特産品が主役のバランス料理」
このような企画をされる旅行会社はないのだろうか。
厚生労働省は検診の強化でメタボリック症候群を減らし、
国民の健康、さらには医療費の削減を目指している。
しかし、一方では、肥満や大食いのタレントがテレビの中でごちそうをパクついている。
人と食欲の戦いは簡単に決着するものではない。