2009/05/15
世間の関心が新型インフルエンザに集中している。
水際作戦で海外からの持ち込みに神経をとがらせているが、
日本が麻疹(はしか)の輸出大国として、
諸外国から警戒されていることは知らない人が多いのではないだろうか。
最近は各地の大学で麻疹が流行し、それを受けて昨年から公費で
高校三年生が麻疹と風疹の混合ワクチンを再接種できるようになっている。
その用紙には「麻疹の死亡率は1000人に1人程度」「麻疹の感染の10年後ごろに
『亜急性硬化性全脳炎』という重い脳炎が10万人に1人の割合で発生する」と明記してある。
新型インフルエンザの死亡率は今のところ0.4%とされているから、
麻疹はそれと匹敵する怖い病気なのである。
高校三年生は、親の署名がある用紙を持って一人で受診されることが多い。
受診の際に「説明を読みましたか?」「ワクチンをする目的は知っていますか?」などと
本人に問い掛けると、ほとんど「え?読んでいません」「知りません」という答えが返ってくる。
生きたウイルスを用いる「生ワクチン」ゆえの副反応もある。
受験勉強も大切だが、自身の健康を維持するための知識も大切である。
保護者と本人で申し込み用紙をよく読んで、正しい知識を持ってワクチンを受けていただきたい。